旅から旅の「過去の着物相談室」です。着物掲示板での投稿を、ほぼ原文のまま、掲載しました。ここでは、みなさんは読むだけで残念ながら投稿できません。でも、着物の知識の宝庫として、活用していただければいいなと思っています。また、ここは検索エンジンが使えますので、なにかキーワードを入力するというのも、面白いかもしれません。では、よろしくお願いします。(旅から旅)
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226 江戸小紋の染めむらについて
 旅から旅 E-MAIL  - 10/8/22(日) 21:29 -

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   江戸小紋の染めむらについて 
 たぬき - 05/2/7(月) 20:50 - 


  はじめまして。ちょっと暇になり、着物に目覚めた45歳です。
とても勉強になる楽しいHP、ありがたく拝見させていただいています。
江戸小紋にもいろいろあるってことは教えてもらったのですが、
「伝統工芸品の染めは型を用いているのでそのつなぎのところが少しムラになっているけど、安いプリントはそれがない。でも、本物のそのムラが味があるってことだ。」
これ本当ですか?
無料着物着付け教室のセミナーとやらで、そのように教えられました。
そして買わされた物は、伊勢型写・伝統工芸士「監修」のものでした。でも「伝統工芸品だ」と思ってたのよね。
別に本物の高いものが欲しかった分けじゃないけど、なんにも知らない着物初心者をだましやがって・・・って気分!値段だって安くない。ネットショップでそんな高いの売ってるの見たことない。生産地問屋の価格だって言うからかなりやすいのかと思ったのに、どう見ても同じのが3分の1くらいで出ています。

質問するつもりが愚痴になってしまいました。すみません。よろしくお願いします。


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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 優妃 讃良  - 05/2/8(火) 14:10 - 


  こんにちわ、たぬきさん

私の持っている江戸小紋は伝統工芸品というだいそれたものではありませんが、手染めのものです。接ぎムラは、作らないのが職人の腕というものですが、1反の中で一切の接ぎムラなしというのはなかなかお目にかかれないものです。
場所によって濃淡もあり、これを着たときにわからないように配置するのが呉服屋と仕立て屋の腕の見せ所でもあります。
他にも滲みなんかもあります。万筋なんか出やすくて、染め屋さんは嫌うとか。
白と色の間がきちっと出ずにぼやーっとしてしまうもの。

>そして買わされた物は、伊勢型写・伝統工芸士「監修」のものでした。でも「伝統工芸品だ」と思ってたのよね。

江戸小紋は、型彫りと染めは別の人が行います。型も大事だけど、いい型紙であればあるほど、染めもいい腕でないと無理になります。

といって「ムラは必ずあるものか?」といえば、そんなことはありません。
超一流の染め屋さんは、機械も顔負けに接ぎムラも染めムラも出さないも作れます。とはいえ、超一流の人にとっても、やはり確実にできるものではないのだと思います。
でも、「ムラがあるから手染めの証拠」ってのは、「不純物があるから天然ダイヤ」といっているようで。でも、不純物のありすぎるダイヤは安物です。

キモノの反物の値段は買う場所によって同じものでも随分値段が異なります。
まず、同じ江戸小紋でも型や染めの価値で随分値段は変わるものなのです。
同じ鮫でも、1mmもある点のもあれば、針の先で突いた程の点のもある次第。
染料も安い化学染料から、いい化学染料、草木染めなど様々に。生地も一度着れば皺がなかなか落ちないピラピラ物から着くずれそうなどっしりしたものまで。
鮫小紋と呼ばれるものが染め元直送で1万円から50万円のまで知っています。
他に「問屋、商社の中間マージン」や「倉庫代上乗せ、展示会場代上乗せ」がされているモノがあります。商社経由で展示会場に並ぶと、軽く2,3倍は普通だそうです。相場は、慣れてこないとわかりません。
高いものを買う場合は、目の利く人と一緒に行った方が良いです。
さもなければ「目が利く」と信頼できる呉服屋さんで買うとか。

写真は伊勢型の中型小紋の浴衣。着ると全然わからないのですが、背中の帯の下とか、お端折りの下、下オクミなどにボケた部分が隠れています。
本などでも紹介されている有名な染め屋さんで、染めムラも少ないと、どの本にも書かれていますが、それでも隠せる程度にはムラがあるものだと思いました。


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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 たぬき - 05/2/9(水) 20:58 - 


  優妃 讃良さま
早速、ご親切にお教え下さいましてありがとうございます。

>でも、「ムラがあるから手染めの証拠」ってのは、「不純物があるから天然ダイヤ」といっているようで。でも、不純物のありすぎるダイヤは安物です。

納得です。
悪徳業者が、何も知らない消費者を洗脳し、文句を言わせない手段として、そういったのかもしれませんね。


>高いものを買う場合は、目の利く人と一緒に行った方が良いです。
>さもなければ「目が利く」と信頼できる呉服屋さんで買うとか。

以後、そうします。(と言っても、もう買うことないかも・・・・懲りたよ)

>写真は伊勢型の中型小紋の浴衣。

素敵なお着物、これ浴衣ですか?こんなの欲しいなあ・・・・このお写真はご本人?


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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 ゆうきくん  - 05/2/9(水) 9:15 - 


   江戸小紋に限らず、きものの染色法は様々で、その染色法によって価格が極端に違ってしまいます。しかし、その染色法のによるコストの違いが正しく小売価格に反映されているのかということについては残念ながらそうとは言えない面があるのがこの呉服業界です。私はその辺に疑問を持ち「きもの春秋」や「続きもの春秋」に書いているのですが、一向に業界が是正される様子がないのは残念なことです。
 さて、江戸小紋はもともと伊勢型紙を手彫りで創り、熟練の染師が染める、そして地直し職人が仕上げるという工程で創られたものですが、現代の技術をもってすれば職人の手を経ずに完璧な染ができるようになりました。しかし、完璧な染が人の感性に訴える最高のものかといえばそうではありません。染色に限らず手造りの物と機械で作る物の違いは、どんな芸術の分野でも乗り越えられないものがあるでしょう。そういう意味では、「伝統工芸品の染めは…少しムラが…」は、あながちうそではありません。その辺につきましては、「きもの春秋15、手造りと難物の境」http://www.ykya.co.jp/ksj/ksjtale/15.htmを参照してください。
『伊勢型写、伝統工芸士「監修」』という江戸小紋は最近良く見かけますし、私の店でも扱っております。型ではなく捺染で染めたもので、価格が非常に安いので、初心者や枚数の欲しい方などには好評で良く売れます。正式なルートで仕入れたとすれば上代価格は4〜6万円台が相場だと思います。インターネット上ではバッタ商品などもっと安く出回っているかもしれません。もっとも、これは私共で扱っている「伊勢型写…」ですので、同じ物かどうかは分かりません。画像を添付しようと思いましたが、在庫が切れていて商品がありませんでした。
ちなみに、型で染めた江戸小紋は、竺仙の染で22万円〜です。型が細かければ高くなり、児玉博氏のもっとも細い毛万筋の江戸小紋は、型があって染められていた当時は45万円でした。現在は希少価値となってもっと高値で売られているようですが。
 捺染の場合は中国製の生地を使って相当安いものも出回っています。
 優妃讃良さんの写真にある長板中形小紋は私共で作っていただいたものです。長板中型小紋については、「きもの博物館8.長板小紋中形本藍染」http://www.ykya.co.jp/ykh/ykhtale/8nagaita.htmを参照してください。


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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 たぬき - 05/2/9(水) 21:29 - 

  ゆうきくんさん お忙しい中、とっても詳しくありがとうございます。

「きもの春秋15、手造りと難物の境」http://www.ykya.co.jp/ksj/ksjtale/15.htm
興味深く読ませていただきました。無料着付け教室の講師はセミナーで「それは難ではなく味」と力説し、型染めのムラを誇らしげに見せてくれました。???????

>正式なルートで仕入れたとすれば上代価格は4〜6万円台が相場だと思います。インターネット上ではバッタ商品などもっと安く出回っているかもしれません。

あ・・・・・そんなに安いのお・・・・
ところで、「バッタ商品」って?
すみません。いい年して常識無いモンで・・・・

着物は、難しいですね。だいたい定価がないってことがおかしい!無料着付け教室のセミナーでの販売だって変!生産地問屋という人が来ていて、最初の値段から値引き交渉のようなことして。じゃあ最初の価格はいったい何なのよ!私の買わされた江戸小紋はのは元は22万円だと言われたのよ。きっとゼロが1つ多かったんだろうなあ・・・・
いろいろウソつかれていたことがわかって頭に来て、「消費生活センターに訴えてやる」と言ったら半額になったけど、それでもまだ儲かっているんだな。
今、テレビでも宣伝しているけど、あの教室はいけません!何も知らない着物初心者を食い物にしている。それとも私が行った所がひどかっただけ?そんなことないはず。でも何も親切にボランティアで全国的に出来る分けないよなあ・・・・・

良心的な着物業界の方が増えることを望みます。
これからもよろしくお願いします。


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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 ゆうきくん  - 05/2/11(金) 11:39 - 


  「きものに定価がない・・」ことなど、きものの価格に対する疑問、不満は良く聞かれます。きものであれ何であれ、商品には製造原価があり、問屋小売屋のマージンが上乗せされて消費者が購入する上代価格となります。そんなことは小学生が社会科で学ぶことかもしれません。きものにも生地代、染価、織価(製造原価)があり問屋を通して小売屋が消費者に販売します。メーカー(染屋、織屋)、問屋、小売屋それぞれに通常は仕入原価を下回って販売することはありません。損をして売ることになりますので。そう考えれば、消費者に販売する価格はおのずと下限が決まるはずです。安売りの電気屋のチラシを見れば分かると思いますが、どこの店もほぼ同じ価格で競っています。それ以上下げたら損、というぎりぎりの線で商売しているのでしょう。
 しかし、時としてそう言った正規のルート以外で商品が売買されることがあります。ケースはいろいろあるのですが、倒産したメーカー、問屋、小売屋の残った商品を処分した場合。また、造りすぎた商品が余ってしまったので処分する場合。長年売れずに残っている商品を処分する場合など、また盗難品などもあるかもしれませんが、それらの商品が考えられない安い値段で市場に出回ることがあります。きものの場合、ナショナルチェーンが大量に発注した商品が返品されて出回るケースもあります。そう言った商品を総称して「バッタ商品」と呼んでいます。バッタ商品はどんなものか、と言えば様々でしょう。新品同様の物もあるでしょうし、中には長年退蔵されてヤケや難があるものもあるかもしれませんが、それはそれぞれの商品ですので、良し悪しはいえません。
 インターネットで販売されている商品の中には、われわれの目から見ればあきらかに通常の原価を下回って販売されていると思われるものがあります。もちろんそれらは悪い商品と決め付けられませんし、消費者にとっては良品を安く購入する選択肢が増えるという意味では良いことかもしれません。
 しかし、「きものに定価がない…」の批判を浴びている呉服業界にあって私が心配していることは次のようなことです。
 一つは余りに安い商品が出回れば、それが正当な価格と見られてしまうことです。バッタ商品というのはあくまでもスポットで出た商品で、いつでもその価格で供給販売できるわけではありません。消費者がその価格に慣れて、「それ以上の価格の商品は問屋、小売屋が不当に利益を得ている」と思われたら、メーカー、問屋、小売屋ともやっては行けなくなるでしょう。呉服業界を維持するという意味では非常にやっかいな問題だと思っています。
 また、反対にとんでもない高値で販売されていることも知っています。何軒も問屋を介したり、あの手この手の催事で過度の販売経費を上乗せしたり、そして私が思う最大の理由は小売屋が商品を仕入れしないことです。この辺の事情につきましては、「続々きもの春秋15、小売屋が怠っていること」http://www.ykya.co.jp/zzksj/zz15/kouriten.htmを参照してください。
常識を外れた低価格、常識を外れた高価格で販売されている呉服業界は問題を抱えています。「きもの春秋」の中でも繰り返し訴えているのですが、それらの問題を解決するには、消費者に確かなきものの知識、見る目を持ってもらうことだと思っています。作務衣を着て髭をたくわえたえらそうな先生(のような人)に薦められ、つい高価なきものに見えてしまう、ということが無いように、消費者には確かな目を持ってもらいたくてHPを開いています。
(ここからは当社の宣伝です。)
 私の店で扱う商品の九割は仕入れ商品です。正規のルートで最も安く仕入れていると自負しております。(この辺の事情も「続々きもの春秋15、小売屋が怠っていること」http://www.ykya.co.jp/zzksj/zz15/kouriten.htmを参照してください。)購買部の商品をご覧下さい。いずれも正規ルートで仕入れた商品です。きものの相場がいくら位なのかを見ていただきたいのです。着付け教室で勧められた商品が高いのか安いのか、その基準として見ていただければと思います。できれば当社に注文いただければ間違いないものを収めさせていただけますが…。


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ありがとうございました。 
 たぬき - 05/2/13(日) 18:24 - 


  ゆうきくんさん
お忙しい中、詳しく説明してくださり本当にありがとうございます。
着物業界に対して嫌悪感いっぱいだったのですが、そうでない着物やさんもいらっしゃるのだと、感謝感激です!

> 一つは余りに安い商品が出回れば、それが正当な価格と見られてしまうことです。バッタ商品というのはあくまでもスポットで出た商品で、いつでもその価格で供給販売できるわけではありません。消費者がその価格に慣れて、「それ以上の価格の商品は問屋、小売屋が不当に利益を得ている」と思われたら、メーカー、問屋、小売屋ともやっては行けなくなるでしょう。呉服業界を維持するという意味では非常にやっかいな問題だと思っています。

それは私にも当てはまります。ネットで見ていたら、お付き合いのある呉服屋さんではとても買う気にならなくなってしまって・・・・柄違いのものが、半額以下ででていたこともあります。バッタ商品しか買わない消費者になりそう・・・・・

>消費者に確かなきものの知識、見る目を持ってもらうことだと思っています。作務衣を着て髭をたくわえたえらそうな先生(のような人)に薦められ、つい高価なきものに見えてしまう、ということが無いように、消費者には確かな目を持ってもらいたくてHPを開いています。

今日は1日中暇だったので、しっかりゆうきくんちで勉強させていただきました。本当に内容の濃いページでしかも文章がお上手で分かりやすくゆうきくんのファンになりました。一日早くチョコレート送りたい気分です。

優妃 讃良さんのお召しになっていたような素敵な浴衣を、いつか購買部でお頼みできたらとと思います。でも高いんだろうなあ・・・・・・(私は貧乏です。下の娘も4月から関西の私大へ行くことになりました。上の娘(2つ上)は秋から海外へ出ると言うし・・・・・母ちゃんは着物買ってる場合ではないのですが、はまってしまった。今日も自作のウール着てます。)


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Re:ありがとうございました。 
 ゆうきくん  - 05/2/15(火) 10:24 - 

   優妃讃良さんのゆかたは前回お話したように、野口汎先生の長板染です。どういう染なのかは、「きもの博物館8.長板小紋中形本藍染」http://www.ykya.co.jp/ykh/ykhtale/8nagaita.htmを読んでいただけたと思います。綿の型染ですが、正絹の江戸小紋よりも難が出やすく、鵜の目鷹の目で見れば、必ずといってよいほど難があります。しかし、誤解を恐れずに言えば、完璧でないところに手作りの味があります。着付教室の先生?が言ったこともまんざらウソではありません。最近のブランド物の浴衣や、タレントの名を冠したゆかたなどはほとんどが捺染で、完璧に染め上がっています。染価という意味では型染よりもはるかに安いのですが、ブランドやタレントの名をつけただけで何故こんなに高くなるのだろうと思ってしまいます。
 以前、かなり前のことですが、教材用に高校生が私の店で注染(一種の型染)のゆかたを買っていったところが、注染ならではの難(「泣き」と言います)を先生に「欠陥商品だ。」と言われたと怒鳴り込んできたことがあります。裁縫を教える学校の先生の意識、知識がこの程度かと嘆かわしく思いました。しかし、本当に嘆かわしく思うのは注染のゆかたを売った私ではなく、染めた職人でしょう。今後捺染のゆかたに慣れた若い人たちが、ますますそういった物の見方になってゆくのかもしれません。そう言った環境に当て込んで、逆に捺染の江戸小紋を型染と偽るような商売が横行するのでしょう。
長板染の画像を添付しました。価格は63,000円です。高いか安いかはご判断ください。


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注染めもズレありますね 
 優妃 讃良  - 05/2/15(火) 12:48 - 


  ▼ゆうきくんさん:
> 以前、かなり前のことですが、教材用に高校生が私の店で注染(一種の型染)のゆかたを買っていったところが、注染ならではの難(「泣き」と言います)を先生に「欠陥商品だ。」と言われたと怒鳴り込んできたことがあります。

最近は、プリント捺染でも、ズレたように色配置するものもあったりします。

ほとんどズレのない注染めを1枚持っています。色地の浴衣のほとんどない頃のものでしたので、当時では相当珍しいものでした。この頃は重ね染めも珍しかったので、染め屋さんもものすごく慎重にやったのでしょう。京都で入手。
浴衣の相場を知らない頃に買ったもので、20年程前で3万円位。
大伯母から来るのは、大概多少どころか、かなりズレのあるものがほとんどでした。金銭には余裕があり、見る目もある人なので、かなりのズレが許容範囲だったのかと。

ゆうきくんちで求めた注染めはこちら。藍の色がいいです。
枝の所は竹色が乗る筈なのですが、ほとんど白。桔梗の花も縁が白く。
プリント捺染のズレと違うのは、場所によって、ズレの程度が違うところ。
「これがいいのだ」と娘はわかったようなことを言っています。
写真のは、誂えたばかりの頃に夏の京都で。「暑いし歩き難いから」と短めに着ています。
昔は夏ともなれば、あちらこちらでこのような浴衣生地は手に入ったのですが、最近はプリント物ばかりで、昔ながらのこういったものを探すのは難儀です。

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素敵、すごーい! 
 たぬき - 05/2/16(水) 8:30 - 


  ゆうきくんさん:

>長板染の画像を添付しました。価格は63,000円です。高いか安いかはご判断ください。

これなら、63,000円払っても高くないかも・・・・
本当に緻密に出来ていてこれは感動ものですね。
浴衣なら自分で縫えるのですが、63,000円の反物にはさみを入れる勇気がまだないなあ・・・・・
とりあえず、香川の保多織が縫えてから考えることにしますね。

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Re:江戸小紋の染めむらについて 
 seven  - 05/3/11(金) 21:35 - 


   前に松綱さん(http://www.edokomon.com/index.html)という工房の江戸小紋を誂えました。超極毛万微塵筋という格好の悪い名前ですが、着物は気に入っております。

 武士の柄を私が使うのは潔いことではないので、鮫小紋などは使いたくない。あまり遊びの柄は使いにくい。縞が中途半端に細かいと立体視が生じる。などの具体的な理由もありますが、一目で気に入った柄であるというので選びました(色はこれとは違いますが)。

 着ていて、目につくようなムラがあるとは感じられません。しかし、江戸小紋を始め、手染めには染めムラがあるというのは事実で、これとて実体顕微鏡レベルはもちろん、ルーペレベルでのムラは見えます。

 モノの配置として、機械的に正確な直線が整然と並んでいるのは美しいとは感じないものです。ゆれ(ゆらぎ)が必要。そういうい意味では目(正確には脳)には心地よい程度の「ムラ」ではないかなと。

 型を染めただけでは、かなりのムラやかすれがあります。このHPでは紹介されていないのですが、工房に見学にいった時、染めた後で手作業でムラやかすれを消すという工程や布の縦横をそろえる工程を紹介していただきました。例えば、かすれを消すというのはとても細い筆を使っての修正ですから、細かく根気のいる作業。私は感嘆いたしました。

 型を彫ったり、染めたり、といった作業は男性職人。でも、この補正作業は女性職人がやっておいででした。根気のいる作業に向いている方が多い、持久力を持つ方が多い、女性の特性だなあと思います。(私はそういう方面では悪い意味で男性的だなあ。。。)

 他に女性職人が活躍なさっている工程として、縞の型に糸を渡す(そうしないと、縞がバラバラになりますよね)という作業があるそうです。ビデオをしか見ておりませんが、それもまた、単調ですが精密で、持久力のいる作業だと感心いたしました。

 本当は落款が入ると粋ではないからあまりは好きではないですが、私の江戸小紋にはこちらの方の名前が入っています(入れないでーって言えば良かったのかしらん)。他にも伊勢型紙のなんとかさん、と型職人さんの名前がついて販売されている小紋も見かけたことがあります。

 名前が出るような型彫や染めといった作業はもちろん大切です。でも、自分が女性だからでしょうか、最後の補正作業もとてもすばらしいと思います。もちろん、関わったすべての職人さんの名前を落款に入れるのは不可能、代表して工房の名前と工房の代表者の名前を入れるというのは理解はしています。でも、HPでもそういう作業があたかも存在しないかのようになっているのは、どうかなあと思いました

(女性が主にやる作業だからかなあ:一家を支える収入のある職には男性がつき、女性がやるのは補助的作業というのがあるのか?と裏読みしてしまったりして)。

 私は自分が「目利きではない」という自信はあります。そんな私には偉そうな評価はできないです。でも、心地よいゆらぎは残しつつムラは消す。最後の補正まで疎かにしていないものではないかなあと思うのです。

 型を作る方も、型を染める方も熟練なさっていると思うのですが、他の作業、糸張りも、蒸しも、そして、補正や成型も。すべての工程があって美しく仕上がる。さらには、八掛や裏地などの付属品、湯のしや仕立てなどの工程と多くの方々の技があります。

 江戸小紋に限らず、着物や帯に限らず、そうやっていろんなモノが手元に来ると思います。そして、そのすべての過程に携わる方々に感謝をと思います。



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226 江戸小紋の染めむらについて 旅から旅 10/8/22(日) 21:29

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