紬の解体10 白大島の対決

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ご覧の通り、両方とも、いわゆる「白大島」です。
どちらも十字絣(じゅうじがすり)です。
左のほうが絣の出方が美しいですね。
糸の太さは、少しだけですが左のほうが細いです。
しかし、太い細いよりもキメの細かさが、左の大島のほうが勝っていました。
私はどちらかというと、右の大島のほうが好きだし(荒々しさとでもいうか、無骨いところが)、価格的にも右のほうが上物なのだと思っていましたが、どうも違うようです。
それよりも、なによりも問題なのは、右の大島のなんと広い耳でしょうか。
9mmもありました。
9mmというと、2分4厘です。
つまり、生地の両耳で4分8厘もあるのです。
最近の女性は、裄が長くなってきています。
だから、当然袖巾をぎりぎりに出さねばなりません。
袖の縫い代が袖付けで3分、袖口で2分ぎりぎり必要ですから、袖付けのほうの3分では、耳の白場は見えるところに出ないけれど、袖口の縫い代を2分にすると白場が出ることになります。
必然的に袖口の縫い代も白場の分だけ、つまり否応なしに2分4厘にしなければならず、結局は裄が出ないと言うことにもなります。
ところで、右の大島をしげしげと見ているうちに、気がついたこと
があります。
それは耳の糸の始末が悪いことです。
こういうのを、リング耳といいます。
絣を合わせるために、こういう耳ができます。
手織りの証明でもあるのですが、締機(しめばた)が悪いということも言えるのでは?





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