1 湯通しのお話し




旅から旅です。

みなさん、こんにちは。

今日は、なんのお話しをしようかな。

そうですね、じゃ、湯通しの話しでもしましょうか。

湯通し(ゆどおし)というのは、その名の通り、

湯に通すことです。

湯に通して、糊を落とします。

織物と言うのは、糸を一本ずつ、コツコツと

織っていくのですが、

糊で固めておかないと、織り辛いわけです。

この糊を落とす作業の事を湯通し(ゆどおし)、

もしくは地入れ(じいれ)といいます。

さて、あなたが大島紬を買われたとしますね。

では、この湯通し、いつやればいいと思いますか?

では、観点を変えましょう。

みなさんは、こんな経験はないでしょうか?

親戚のだれかから、昔の大島を反物の形で

もらったというようなことは、ないでしょうか?

そのときの大島は、カサカサ、パサパサ

していませんでしたか?

もしくは、年代物の大島をネットショップで買われた折に、

やけに生地の風合いがカサカサしていませんでしたか?

もちろん、それらは、湯通しはされていませんよ、

当然のことながら。

昔は、大島を湯通ししなければならないというノウハウは、

ほとんど知られていなかったように思いますし、

売れていない大島は、商品価値がなくなると言って、

湯通しはしないものですから。

思い当たることはありますか?

そのカサカサの原因は、いつまでも湯通ししないで、

糸に糊をつけたままだったから、糸から油気が抜けて、

あのように「カサカサ・パサパサ」になったのです。

そのメカニズムはよくわかりませんが、一説には、

糊がカビを呼んで、そのカビが糸の油気を

消化したのではないかとも。

そして、このように、「カサカサ・パサパサ」に

なってしまったら、もう湯通ししても、

問題解決にはならないのです。

つまり、湯通ししても、カサカサ・パサパサは直らないのです。

古漬けの沢庵はおいしいけれど、

古漬けの大島は買ってはいけませんよ。

また、同じ理由で、湯通し済みの大島も買ってはいけません。

その理由は、すでにカビが発生してしまったからです。

というわけで、幸運にも、織りあがったばかりの大島を

買うことができたときには、すぐに湯通しを

したほうがいいですね。

湯通しすることによって、証紙類が流れることを

心配されることはないですよ。

証紙の上から、大判の透明なテープを貼れば、

大丈夫ですから。


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