6 割込み式のお話し

飛翔け!本場大島紬へ

今日のお話しは、絣の続きを。

絣のお話しは、一回目が「カタス式」、二回目が「一元式」でしたね。
で、今日は、最後の「割り込み式」のお話しをしましょうか。
まずは、下の画像を見てもらおうかな。



見てるだけで、いやになるほど、もとい、惚れ惚れするほどの精密さだと思いませんか?

これが、割り込み式の絣なのです。
この大島紬は、9マルキ 割り込み式といいます。

では、ここで、割り込み式の絣糸の配列をお教えしましょう。
その前に、復習をしましょうね。

9マルキ カタス式の経糸 絣糸1、地糸2、
9マルキ  一元式の経糸 絣糸2、地糸1、
こうだったでしょう。そして、割り込み式はこうなります。
9マルキ  割込式の経糸 絣糸2、地糸1、絣糸1、地糸2、
こういう複雑な絣糸と地糸の配列をするのです。
これを念頭に置いて、もう一度、さきほどの画像を見てごらんなさい。
じっと見ていると、頭が痛くなりますから、きっと。(笑)

画像のなかほどに十の字絣があるでしょう?

十の字の縦の線が二本、横に並んでいるでしょう?
その二本を2と数えます。
その右横の白い線は緯糸なのです。
経糸は地糸なのです。
だから、ここの部分は、1と数えます。
そして、その十の字のすこし下の方に、すこし長い目の白い線が見えるでしょう?
これは、経糸の絣糸です。これを1と数えます。
そして、その長い目の白い線の右横には、
糸二本分のブラックホールが口を開けているのが見えるでしょう?
これを2と数えます。
この、2、1、1、2、2、1、1、2、の配列が延々と続くのです。

どうして、このような見てるだけでも頭の痛くなるような、
もちろん、織っている人は僕以上に頭が痛く、
目も痛くなるような、絣糸と地糸の配列をすると思いますか?

そうですね、こういう複雑な配列をすると、
つまりは複雑な絣模様が作り出せるからです。

絣それ自体で、いろいろなバリエーションの模様が織り出せるのです。
しかも、たった一粒だけでも、絣が潰れたり、ずれたりしただけで、
一目瞭然、織り難がわかってしまいます。

この辺を指して,産地では「ウソのない」織物と呼んでいます。

絣糸だけの白と黒の世界。
神経を張り詰めて、永遠の時間の中で、ただひたすら織りつづけるひとがいる。

割り込みを織るのに、半年くらいは優にかかるって言うんだから、すごいよね。
いつかは大島、いつかは割り込み・・・・・
でも、割り込みは、いつまでも待ってくれないよ。



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