算数(よみすう)というのは、とってもわかりにくい織物用語なんだけど、
極力わかりやすく書くので、頑張って学習しましょう。
算数というのは、ひとことで言うと、糸の本数のことなのです。
ここに、1cm四方の大島紬のコギレがあります。
ひとつは、15.5算の白大島で、もうひとつは、13算の龍郷です。
と、こう書いてしまわれると、とたんに、読む気がしなくなるでしょう?
僕もそうでした。
だから、いくら説明文を読んでも、理解できなかったのです。
でも、今回の方法でなら、なんとか、理解する事ができると思っているのですよ。
それらの大島紬(白大島と龍郷大島)のコギレの経糸と緯糸の本数が何本あるかを検証する事で、
算数(よみすう)のことを学習してみましょう。
さて、大島紬では、このみっつの算数があります。
13算(じゅうさんよみ)
15.5算(じゅうごはん)
18算(じゅうはちよみ)とまぁ、このみっつがあります。
これは、覚えるしかありません。
算(よみ)というのは、二本の糸を意味します。
だから、13算というのは、26本の糸という意味です。
同じく,15.5算は、31本の糸ということですね。
ここでは、18算は、検証しませんが、この18算はいわゆる「12マルキ」のことです。
大島紬では、超がつくほどの細微絣のことをいいます。
さて、普通、13算というと、これは経糸が13算(26本の糸)あって、
この場合の緯糸も13算(26本の糸)ですよ、ということです。
一方、15.5算というのは、おなじく、経糸が15.5算(31本の糸)あって、
緯糸は14算(28本の糸)がありますよ、というスペック表みたいなものですね。
さて、では、さきほどのふたつのコギレに話を戻しましょう。
まず、15.5算の白大島から検証しましょう。
僕がまず、やったことは、「ほんとに、ちゃんと、糸の本数があるのかな?」と思って、
その白大島のハギレを1cm角に裁って、糸をほぐしていきました。
やってると、肩がこってくるのですが、気にしないで、
抜いた糸が吐いた息で飛ばないように、神経を集中して、糸をほぐしていきました。

すると、驚いた事に、正確に経糸が31本あったのです。
これは、ほんとうに、おどろきました。
なぜ驚いたかというと、人間のやることだから、一本や二本、ないかもしれないなと、
思いながら、勘定していたからです。
その配列は、絣糸1、地糸3、の7マルキカタス式でした。
そして、緯糸も勘定してみました。
やはり、正確に14算、28本の糸がありました。

こちらは、絣糸2、地糸2という配列でした。
この画像が、経糸15.5算(31本の糸)の白大島です。
ほぐした糸が途中から、てんでばらばらになってしまいました。
でも、確かに、31本ありました。
画像は、なんとか緯糸14算(28本の糸)を感じていただけるように、
拡大して撮りました。
さて、つぎに、13算の龍郷大島の検証に移りましょう。
そのまえに、龍郷というのは、奄美大島の龍郷町で織られている泥大島のことです。
いまでも、13算で織られているかどうかはわかりませんが、
いま、僕が持っている龍郷大島のハギレは、確かに、13算です。
さきほども言いましたが、13算というのは、
経糸の糸の本数が26本ですよという意味です。
そして、経糸が13算の場合は,緯糸も13算なのです。
これも、ほぐして、本数を確かめて見ました。
確かに、経緯ともに、26本ありました。
この画像がその経糸のほぐした糸です。
絣糸2、地糸2の一元式7マルキの配列でした。

下の画像は、緯糸の感じを掴んでいただくために、拡大しました。

さて、ここで、なにか感じられませんでしたか?
両者の違いっていうのを、感じませんでしたか?
じゃ、このふたつの緯糸を並べて、比べてみましょう。

さあ、どうでしょうか?
見たところ、いろいろな点に気づかされることと思います。
まず、黒いほうのすきまが広いように思われませんか?
つぎに、黒いほうの糸のギザギザというか、波の形が大きいように思いませんか?
このギザギザのところに、経糸がはさまって、織物になっているのですよ。
つまり、一言で言えば、黒いほうの経糸のほうが太い糸を使っているわけです。
しかも、緯糸の数も2本だけとは言え、少ないわけです。
少ないのに、1cm角を詰めようとすれば、当然、その緯糸も太くせざるを得ないのです。
つまりは、この算数(よみすう)というのは、織物の組織が粗いか緻密かを表しているわけです。
当然,糸が細く多いほど、その織物は上物であるというわけです。
いかがでしたか?
すこしは、理解できたでしょうか?(旅) |