7 算数(よみすう)のお話し

飛翔け!本場大島紬へ

算数(よみすう)というのは、とってもわかりにくい織物用語なんだけど、
極力わかりやすく書くので、頑張って学習しましょう。

算数というのは、ひとことで言うと、糸の本数のことなのです。

ここに、1cm四方の大島紬のコギレがあります。
ひとつは、15.5算の白大島で、もうひとつは、13算の龍郷です。
と、こう書いてしまわれると、とたんに、読む気がしなくなるでしょう?
僕もそうでした。
だから、いくら説明文を読んでも、理解できなかったのです。
でも、今回の方法でなら、なんとか、理解する事ができると思っているのですよ。
それらの大島紬(白大島と龍郷大島)のコギレの経糸と緯糸の本数が何本あるかを検証する事で、
算数(よみすう)のことを学習してみましょう。

さて、大島紬では、このみっつの算数があります。
13算(じゅうさんよみ)
15.5算(じゅうごはん)
18算(じゅうはちよみ)とまぁ、このみっつがあります。
これは、覚えるしかありません。

算(よみ)というのは、二本の糸を意味します。
だから、13算というのは、26本の糸という意味です。

同じく,15.5算は、31本の糸ということですね。

ここでは、18算は、検証しませんが、この18算はいわゆる「12マルキ」のことです。
大島紬では、超がつくほどの細微絣のことをいいます。
さて、普通、13算というと、これは経糸が13算(26本の糸)あって、
この場合の緯糸も13算(26本の糸)ですよ、ということです。

一方、15.5算というのは、おなじく、経糸が15.5算(31本の糸)あって、
緯糸は14算(28本の糸)がありますよ、というスペック表みたいなものですね。
さて、では、さきほどのふたつのコギレに話を戻しましょう。

まず、15.5算の白大島から検証しましょう。
僕がまず、やったことは、「ほんとに、ちゃんと、糸の本数があるのかな?」と思って、
その白大島のハギレを1cm角に裁って、糸をほぐしていきました。
やってると、肩がこってくるのですが、気にしないで、
抜いた糸が吐いた息で飛ばないように、神経を集中して、糸をほぐしていきました。



すると、驚いた事に、正確に経糸が31本あったのです。
これは、ほんとうに、おどろきました。
なぜ驚いたかというと、人間のやることだから、一本や二本、ないかもしれないなと、
思いながら、勘定していたからです。

その配列は、絣糸1、地糸3、の7マルキカタス式でした。
そして、緯糸も勘定してみました。
やはり、正確に14算、28本の糸がありました。



こちらは、絣糸2、地糸2という配列でした。
この画像が、経糸15.5算(31本の糸)の白大島です。
ほぐした糸が途中から、てんでばらばらになってしまいました。
でも、確かに、31本ありました。

画像は、なんとか緯糸14算(28本の糸)を感じていただけるように、
拡大して撮りました。

さて、つぎに、13算の龍郷大島の検証に移りましょう。

そのまえに、龍郷というのは、奄美大島の龍郷町で織られている泥大島のことです。
いまでも、13算で織られているかどうかはわかりませんが、
いま、僕が持っている龍郷大島のハギレは、確かに、13算です。

さきほども言いましたが、13算というのは、
経糸の糸の本数が26本ですよという意味です。
そして、経糸が13算の場合は,緯糸も13算なのです。

これも、ほぐして、本数を確かめて見ました。
確かに、経緯ともに、26本ありました。
この画像がその経糸のほぐした糸です。
絣糸2、地糸2の一元式7マルキの配列でした。



下の画像は、緯糸の感じを掴んでいただくために、拡大しました。



さて、ここで、なにか感じられませんでしたか?
両者の違いっていうのを、感じませんでしたか?

じゃ、このふたつの緯糸を並べて、比べてみましょう。



さあ、どうでしょうか?

見たところ、いろいろな点に気づかされることと思います。

まず、黒いほうのすきまが広いように思われませんか?
つぎに、黒いほうの糸のギザギザというか、波の形が大きいように思いませんか?

このギザギザのところに、経糸がはさまって、織物になっているのですよ。
つまり、一言で言えば、黒いほうの経糸のほうが太い糸を使っているわけです。

しかも、緯糸の数も2本だけとは言え、少ないわけです。
少ないのに、1cm角を詰めようとすれば、当然、その緯糸も太くせざるを得ないのです。

つまりは、この算数(よみすう)というのは、織物の組織が粗いか緻密かを表しているわけです。
当然,糸が細く多いほど、その織物は上物であるというわけです。
いかがでしたか?
すこしは、理解できたでしょうか?(旅)


旅さんの大島紬大研究へ

飛翔け、本場大島紬へ

目次へ

表紙へ