50 奄美の泥 U




さて、前回「奄美の泥T」に引き続き、今回はその続編です。


前回は、大島紬における湯通し(ゆどおし)というものを


視覚的に、みなさんにお見せしようという試みでした。


湯通し、地入れともいいますが、湯通しをする目的というのは、


第一には製織のまえに糊付けという工程があり、


糸にフノリという糊をくっつけているのですが、


これを落とすのがその第一の目的なのです。


この糊をくっつけたまま、仕立てをすると、


カビが発生したりしますし、第一、風合いも悪く、堅く、


そうですね、擬音的に表現するとガサゴソ、


パリパリって感じですね。


第二の目的は、その大島が泥染めしてあったとすると、


余分な泥を落とすのが、その目的です。


前回の「奄美の泥」では、1番ダシから5番ダシまでという、


まるでお料理番組のような写真の撮り方をしました。


こういう画像でしたね。




ここで、誤解していただくと具合が悪いのですが、


ここには5番ダシまでの画像しかありませんが、


このあと、僕が納得するまで、延々と湯通しは続くのです。


今回は、この1番ダシにスポットを当てました。


まず、1番ダシのボトルと真水の入ったボトルを並べてみました。


色の対比が、見て取れます。




お湯は、こんなに泥っぽい色になるのですよ。


そして、このボトルを数日間、放置しておいたら、


ボトルの底に奄美の泥が沈殿しました。




このとき、泥大島って、天然の素材を使った布なんだなぁ!



って素直に感動する瞬間なのですが、


反面、この湯通しをしなければ、この余分な泥や糊を


くっつけたまま、仕立てをして、着るはめになるんだなぁって、


ちょっと、ぞっとする瞬間でもあるのです。


大島紬を仕立てるまえは、


念の入った湯通しをするように、しましょうね。


今日は、このへんで終わりにしようと思ったのですが、


泥つながりで、もうひとつだけ。


泥大島に撥水加工は、絶対にしてはいけませんよ。


詳しいメカニズムは、ちょっと難しすぎるので割愛しますが、


撥水加工をすると、必ず、泥落ちします。


泥大島が、台無しになってしまいます。


絶対に、してはいけませんよ!



では、またね。(旅)








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