55 いっときのあだ花 抜染大島





(ご案内) 本文をお読みになる前に


もし、あなたが呉服専門店で経緯絣の大島紬を


買おうとなさっているかたでしたら、


下の文章はどうか、読まないでください。


こういう知識は知らなくていいと思います。


なぜなら、ネガティブな知識が含まれているからです。


 次へをクリックしてくださいね。


でも、もし、専門店じゃない呉服屋さんやネットオークションなどで、


なんの説明も受けず、もしくは誤った説明を受けて買われる場合は、


知識として持っているのも悪くないのではないかと考えます。














今日は、抜染大島(ばっせんおおしま)の


話をしましょう。


最近はあまり見なくなりましたが、、、、、、


ひところ、、、そうですねー、10年ほどまえまでは、


ネットショップやオークションで、見かけたものです。


たぶん、呉服屋さんの店頭にもあったと思いますよ。


それで、どこかに画像はないかと、


探したのですが、、、、


どこにもないのです。


ですから、みなさんに「これが抜染大島の


画像なのです!」と


お見せできません。実に残念です。


さて、世の中には、大島紬の類似品と言うのは、


まー、よくあります。


もっとも、どの大島紬に対する類似品で


あるかによって、


それがコピー商品であるかどうかの評価は


分かれるところなのですが。


たとえば、経緯絣の大島紬を基準に考えたら、


大島産地で作っている機械織りの大島でさえ、


それは経緯絣のコピー商品ということになります。


また、大島産地で作っている大島紬のすべてを


基準に考えると、経緯絣も機械織り大島も


本物であり、


大島産地以外の「なんちゃって大島」は、


コピー商品となります。


さてさて、今日のお題の抜染大島に話を戻しましょう。


抜染大島は、生まれ(織り)は鹿児島の


機械織りなのですが、


育ち(製作)は、鹿児島ではなく、


どこかの染め工場です。


そうです、この抜染大島というのは、


染め大島の部類に入ります。


一般的に、染め大島というのは、機械織りの大島地に


柄染めを施したものですが、こちらの抜染大島は、


古いところで恐縮ですが、


「あっと驚くタメゴロー」的な染め大島なのです。


どのように、あっと驚くかというと、


鹿児島を出て行くときは、


真っ黒けの黒無地の生地として、出て行きます。


そして、その黒無地の織り糸には、


あぶり出しのような仕掛けがしてあります。


つまり、絣糸だけが色抜きできる染料で


染めているのです。


そういうことをすると、どういうことになるかというと、


フクロウでもワンちゃんでも、雪輪文でもいいので、


型を作って、真っ黒い反物の上にその型を置き、


抜染剤(ばっせんざい)を塗るということをします。


そして、熱をかけると、抜ける染料を


吸っている絣糸だけが白く


浮かび上がるということになります。


これが、抜染大島なのです。


そうなのです、つまり、地空き飛び柄の


コピー商品として、


この世に生まれたのです。


ですが、見た目には地空き飛び柄の


大島風なのではありますが、


風合いは、機械織りのバリバリした大島ですので、


結局は粗悪品として、


自然淘汰されていったようです。


でも、知らずに買ってるひとも、きっと、


いたはるやろなぁ、、、。


なんの説明もせんと、売らはったひとも、


いたはるやろなぁ、、。


とはいえ、こういう商品を作る土台を用意した、、というのは、


実に残念な思いがします。



では、またね。(旅)


(追記)


探せば、あるもんですねー。


とあるネットショップにありましたので、


画像を引っ張ってきました。


でも、あるということは、いっときのあだ花じゃなく、


まだ、健在ということなんでしょうかねー。


それも、また、困ったことですが、、、、。


さて、こういう感じの反物が、抜染大島なのです。







ちょっと見には、泥染めの地空き飛び柄の


経緯絣みたいに、見えるでしょう?





これが、飛び柄の部分です。


これも、ちょっと見には、ほんとの絣に見えますね。


でも、これは、9マルキの絣に見えるような、


抜染(ばっせん)を施しているのです。


でも、よーく見ると、絣もきれいじゃありませんね。


そして、証紙はこういうのが、貼ってあります。





茶色い証紙に黄色い丸シール、、、、


そうですね、みなさんなら、よく、わかりますね。


これは、機械織りの大島紬であるという証明ですね。


それからね、風合いが、


経緯絣とはまったくの別物ですので、


さわっただけで、わかりますよ。



では、またね。(旅)


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