59 マルキは、糸80本のこと、それがいつのまにか、、、





旅から旅です。


皆さん、こんにちは。


さて、「いちマルキは、絣糸 80本のことです」という説明をどこかで


聞いたことがあるでしょうね。


これは、正確には


「いちマルキは、経糸80本のこと」なのです。


それがいつのまにか、いちマルキは経糸の


絣糸80本ということになって、


7マルキは経絣糸560本という説明を


受けるハメになるのです。


ところが、それはホントでもあり、ウソでもあるのです。


それを、今日は説明しましょうね、


でも、これを書くのを実は躊躇しています。


というのも、どこかのだれかが、困らはることに


なるんちゃうやろか?と思うからです。


だれかというのは、7マルキの絣糸は560本、


9マルキは720本、、、、、と説明してきたひとたちです。


ま、このへんの、ごちゃごちゃした思いは


こっちに置いといて、事実だけを淡々と


述べていくことにしましょう。


そのまえに、7マルキよりも9マルキのほうが


販売価格は高くなるのですが、これは、


絣糸が多くなるので、全体の原価が高くなるからですよ。


でもね、基本的なことを言えば、


たとえば流水文様があるとして、


それを表現するのにベストなマルキ数は、なんであるか?


細かく表現するのがベストか、


細かくなくてもザックリしていてもいいのかを見極めて、


マルキ数を決めるわけなのです。


必要もないのに、9マルキにしているわけでもないのですよ。


さて、大島紬というものは、生地巾は、どれくらいでしょうか?


普通には、一尺五分です。


センチで言うと、約40センチです。


みなさんは、算数(よみすう)というのを、


覚えておられますか?


織り密度のことですよ。


15.5算とか13算とか、18算とかの、あれです。


読み方は、「じゅうごはん」であり、


「じゅうさんよみ」であり「じゅうはちよみ」です。


これらは、生地巾 1cmのあいだに、


経糸が何本あるかを説明しています。


つまり、15.5算なら1cm巾に経糸 31本、


13算なら26本、18算なら、36本という風に。


つまり、15.5算の大島があったとすれば、


その経糸は15.5算(経糸31本)×40cmで、1240本、


両耳に20本ずつで、その大島の経糸は全部で、


1280本使われているわけです。


また、13算なら、26本×40cm+40本(両耳)で


1080本ということになります。


同じように、18算なら、36本×40cm+40本で


1480本になるのです。


さて、絣糸の配列というのを、覚えておられますか?


カタス式とか一元式とか、割込み式のお話しのなかに、


掲載されています。


つまり、絣糸の配列法には、カタス式という配列法、


一元式という配列法、割込み式という配列法がありますよ、


ということでしたね。


カタス式なら、7マルキの場合、絣糸1、地糸3だから、


15.5算の場合は、経糸1240本中、絣糸は310本、


地糸は930本あるわけです。


13算の場合は、経糸1040本中、絣糸は260本、


地糸は780本あるのです。


一元式の場合、7マルキなら絣糸2、地糸2だから、


15.5算の場合は、経糸1240本中、絣糸は620本、


地糸も620本あるわけです。


13算の場合、経糸1040本中、絣糸は520本、


地糸も520本あるのです。


鋭いひとは、そろそろ、答えが見えてきたんじゃないですか?


「いちマルキが絣糸80本」というのは、


正確に言えば、「今現在の15.5算一元式の場合、


いちマルキは絣糸が88本である」ということなのです。


そして、「今現在の15.5算カタス式の場合、


いちマルキは、絣糸44本」なのです。


13算になると、この数字はまた、変わってきますし、


むかしの生地巾になると、これまた、変わってきます。


ですから、アバウトに考えられたら、いいのですよ。


アバウトに、7マルキよりも、9マルキのほうが


絣が細かくなる、細かくなると、値段も上がる、、、、と。


いちマルキって絣糸何本のこと?


これを厳密に説明すると、頭がこんがらがりますし、


こんがらがらせてまで、理解しなければ


いけないものでもないのです。


僕は、そう思います。


では、またね。(旅)





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