49 奄美の泥 T




さて、大島紬の泥染めってのは、


みなさん、よくご存知の事と思います。


泥染めは奄美大島でのみ、行なわれています。


テーチ木(車輪梅)に含まれるタンニンと泥に含まれる鉄分が


反応して、あのような独特の黒い色が得られるわけなのです。



さて、そうして泥染めされた糸は、織られるまえに一度、


水洗されて不純物が取り除かれ、


そして、糊付(のりつけ)という工程に入ります。


ここまでが、糸作りなのです。


この糸を織り工さんが織り上げて、


やっと手機の泥大島ができあがるって寸法です。


この織り上がった大島紬は、当然のことながら、


糊付の際、使われたフノリ(海草)がしみ込んでいますし、


織られる前に水洗はされていますが、


それでも泥が付着しています。


着物に仕立てるまえに、それらの不純物を取り除く工程が、


「湯通し」(ゆどおし)なのです。


地入れ(じいれ)とも言います。


前置きがすごく長くなりました。(笑)


僕は今日、泥大島の湯通しをしました。


そして、以前、プロジェクトで泥大島を買って頂いた方から、


こういうメールをもらっていたことを思い出しました。


「自分の大島が産湯に入っている写真が見たかったです。


そして、湯通しして出てきた泥も見てみたかったです。」


それで今回、客観的に奄美の泥を感じていただける方法は


ないだろうかと考えました。


もちろん、湯通ししたお湯を宅急便で送るというのも、


ひとつの方法ではあるのですが、


そのお湯が入浴剤になるわけでもないだろうし、


お肌ツルツル髪スベスベになるような気もしません。(笑)


僕がやっている湯通しは、お湯だけを使います。


時間と手間をかけることだけが、旅さん流の湯通しです。


温度は何度とか、何時間ぐらいとかのレシピはありません。


今日は五回、湯を入れ替えては、たぐったり、なんやかやして、


最後は冷たい流水で洗い流すようにして、湯通しを終えました。


客観的に、視覚的に、みなさんに奄美の泥を


感じていただきましょう。


産湯をつかった大島は、その体内から不純物である糊と泥が


取り除かれました。


ただ、誤解をしてはいけない点は、


糊に関しては、ほぼ完璧な水準で取り除きましたが、


泥はまだまだ大島の糸に含まれています。


というのは、大島紬の糸には何層も何層も年輪のように


泥が積み重なっているのです。


湯通しで取り除ける泥は、


ただ、一番上に乗っかっている泥に過ぎないのです。


だから、次の機会に洗い張りをされたとき、


やはり、泥は出てくるのです。


そのときに、泥大島の泥がひと皮、むけるのです。


またまた、前置きが長くなってしまいました。


では、画像をご覧ください。





お料理ではありませんが、


「一番ダシ」から「五番ダシ」まであります。


その意味するところは、見てのとおりです。


奄美の泥T、面白かったですか?



では、またね。(旅)




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