染め編 9 絞りの秘密

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さて、絞り編も三回目になりました。
表題の「絞りの秘密」ってなんだろう?って思っているでしょうね。
絞りって、染料が染まらないようにするのに、糸でしばるって言いました。
この「糸でしばる」っていうのが、結構、強い力が必要なんです。
しっかり、しばらないと、染料が沁み込んできますからね。
その結果、生地が傷むのです。
たった一回、縛っただけなんですけどね。
だから、絞りの着物の染替えはあまり、やらないほうがいいですね。
もっとも、最近はあまり、染替えっていうのはしないから、余計なお世話かな?

わかるでしょうか?
地色のところの生地が薄くなったりしているところもありますね。
破れる寸前のところもあります。
白地の部分の縞模様は緯糸が透けて見えているのですが、かなりの力が加わったというのが、よくわかるでしょう?

こちらは、生地がいいにもかかわらず、穴が空いています。
拡大して、初めて見える穴ではありますが。
これが、「絞りの知られざる姿」なのです。

絞りに穴が空く原因は、絞りの糸を取るときに起こります。
絞りは前述したように、白場が染まらないように、
糸でぎゅっと縛ります。
その糸を引っ張って外すのですが、
そのときに、引っ張り力に耐えきれずに、
生地が破けてしまうことがあります。
この穴空き寸前の薄破れは、
そのときにできたものかもしれませんね。
絞りの美しさを限りなく追求すれば、生地が弱ってしまう。
平べったい絞りは、絞りとは思いたくないものね。
ほんと、つくづく、難しいものだと思います。



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