旅から旅です。
みなさん、こんにちは。
さて、いまから何十年前になりますやろねぇ、僕が室町の問屋はんに
奉公していたころのお話しです。
加賀友禅ってものが世の中に出始めのころやったと記憶しています。
僕は京友禅にはない、その新鮮な色遣い、迫力の構図に夢中になりました。
いやぁ、こんなにきれいな着物があって、いいものなのか?!
そのようにも思いました。
そして、着物に落款を入れるという行いにも痺れてしまいました。
その作家先生が「ワシが作ったんや、品質はワシが保証するで〜」
と言っているような気がしたもんです。
それで、好きなものは覚えられるの格言どおり、僕は落款を見れば、
誰それと言い当てられるくらいの加賀友禅通になったのです。
もちろん、作風もある程度は、理解していましたよ。
その後、問屋はんでの修行も終わり、呉服屋さんとはちょっと畑違いの
仕事(着物関係であることは間違いありませんが)だったもので、加賀友禅とは疎遠になっていきました。
そして、年月は過ぎ、今現在の僕がいるわけです。
元加賀友禅通のそんな僕だったのですが、ある日、加賀友禅らしき着物を見る機会がありました。
加賀独特の色遣い・暈し、虫食い、染付けの落款、それらは本加賀の素質を持った着物でした。
僕はしげしげと落款を見ました。
これがねー、困ったことになんという字か読めないんですねー、いやはや。
僕も一時期、趣味の日本画を描いていたとき、絵はへたくそやのに、
落款だけは一人前に作ったりしていましたが、そのときも「これが僕の名前?!」とハテナマークを5個くらいつけたくなるような不思議な字面でした。
確か、篆書体(てんしょたい)っていうんだったかな。
いやぁ、読めないんですよねー、いや、ひょっとしたら、読めへんのは僕だけかも知れへんけどね!(笑)
それで、くだんの本加賀らしき着物の落款を調べるため、加賀友禅のホームページを探しました。
http://www.kagayuzen.or.jp/
このサイトのなかに落款集なるものがありました。
「いやぁ、よかったよかった。これで、すぐにわかるやろなぁ、、」と、思って、見ていったのですが、これがねー、すごく作家さんの人数が多くてね、落款から調べようと思っても、これは調べること、でけまへんわ。
作家はんの名前は、あいうえお順に並べてあるさかい、「作家はんの落款はこれですわ」というのは提示してくれるんやけど、「この落款は、この作家はんですわ」というのは、提示してくれないんです。
そこで、世のため、人のため、ついでに自分のために加賀友禅落款逆引き絞込み辞典なるものを、ひねくりだしましたんですわ。
かなり、時間がかかりましたけどな。
そやけど、なんとか使えるもんができたんやないかなぁと、思ってますねん。
産地のかたがた、「こんなもん、作りよってからに〜」って思わんといてくださいね〜。
では、この辞典の使い方をご説明しましょう。
落款の篆書体を、僕は部分部分を分解して、分類することにしました。
分解することによって、作家さんの落款がカタカナ表示になったりしていますが、気を悪くせんといて、ね。お願いですから。
そして、落款の形も分類しました。
長方形、正方形、楕円形、亀甲、二重長方形、二重正方形、二重亀甲、菱型などなどありました。
また、失礼な言い方かもしれませんが、「読めない」という分類方法も取りました。
実際例を表示しましょう。
この落款は「山下とし子」さんという作家さんの落款です。

実際問題として、僕には読めなかったのですが、いくつかに分解すると、なにやら、見たことのあるような文字が浮かび上がってきます。
そこで、キーワードとして、「木 間 カタカナのコ、タ、ヘ」そして、落款の輪郭が正方形である、、、これらがこの落款のキーワードとして、登録しました。
さて、この「加賀友禅落款逆引き絞込み辞典」をクリックして、一度、
そこへ行って来てください。
行くだけでは面白くないですので、すぐに帰ってきてくださいね。
検索の方法をさきに、学習してくださいね。
いま、行って来られたサイトには上のほうに水色のバーがあったと思います。
そのなかに、「検索」というのがありますので、それをクリックしてみてください。
そうすると、こういうのが出てきます。

検索文字列の枠になかに、楕円形 読めない と入力しました。
検索モードは、ANDにチェックを入れてくださいね。
検索対象は、かならず本文にチェックを。
表示モードは本文ありにチェックしてくださいね。
こうしておいて、検索をクリックすると、こういうのが表示されますよ。


このおふたりが、落款の形が楕円形で、しかも僕には読めない落款であったというわけなのです。
同じように、今度は落款の形が亀甲だった場合は、これです。
キーワードは、「亀甲 読めない」です。


次に、キーワードの「読めない」を外して、亀甲だけにすると、

と、こういう具合になるのです。
使い方は、みなさんで考えてみてください。
おばちゃんにもろた着物、本加賀かどうかが分かるときが来たかも知れまへんで〜。
なお、作家さんの敬称は略させていただきました。
すみません。
あ、そうそう、もし、「この作家さんの落款がないよ〜」と思われたかたは、ご一報くださいね。
今日は平成17年2月11日です。
この日以後に作家さんになられたかたは、たぶん、登録されていないと
思います。
最後になりましたが、加賀友禅の、ますますのご発展ご隆盛を祈っております。
では、またね。(旅)
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