旅から旅です。
数日前に黒染め屋さんからの封書が届いた。「なんやろな?廃業やったりして」などと冗談を言いながら、封書を破って見ると、はたして廃業の通知でした。
またしても、黒染め屋さんが、黒染めの職人さんがひとり、この業界から去って行かれました。
この黒染め屋さんは、二年ほど前からの取引でした。
その前は、別の黒染め屋さんだったんですが、やはりそこも廃業されました。
そもそも、今の着物業界の現状では黒染め屋さんというのは、必要ないのかもしれません。というのも、「着物あれこれ1」でも書きましたが、喪服も誂えと石持ち紋の既製品の二種類あると書きましたね?
それで、誂えの喪服を作ると言うのが、ほとんど絶滅状態なのです。
この原因を作ったのは、まぎれもなく呉服屋さんでしょうね。
既製品の紋も誂え紋もクオリティは、同じだと、喧伝しましたからね。
ただ,自分達が販売するのに好都合だから、という理由だけで、、。
そりゃあ、白生地から紋糊して黒に染めて紋上絵して、早くても一ヶ月かかるより、店頭に黒に染まった反物を並べておくほうが、はるかに売りやすいでしょうね。
紋が将来、白っぽくなるなんて、余計な情報は知らせないでね。
(もしくは、呉服屋さんもご存知ないのかも)とにかく、これからも誂えの黒染め屋さんは、どんどん減っていくのかなぁ。
だいたい、昔は喪服などというものは、白生地を黒には染めなかったものです。長い間、愛用した小紋の着物をつぶして、喪服にしたものです。
小紋を色抜きして、湯熨して、紋糊屋さんに持っていき、そのあと、黒染め屋さんに持っていき、黒染め屋さんは紅下か藍下か上黒かを聞いて、染めました。
そして、紋糊のついたままの黒に染まった生地をまた湯熨して、
紋洗い屋さんに持っていき、そこではゴム糊を取って、紋場をきれいに洗い、紋上絵をしてもらい、最後に、もう一度湯熨をして、できあがり。
あとは、仕立てに回すだけ。白生地を初めから、黒染めするなんて、すごく贅沢なことだったんですよ。今日のお話しは、なんとなく暗かったですね。
では、今日はこのへんで。
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