旅から旅です。
今日は、小紋の着物の話しをしようかな。
みなさんは大抵、小紋の着物はお持ちでしょうね?
まぁ、小紋と一口に言っても染め方で大きく分けて2種類、つまり、手加工(てがこう)か型染(かたぞめ)かということで、その型染も2種類に分けられます。(型染の画像はこちらをくりっくしてください)
すなわち、手捺染(てなせん、てなっせん)か機械捺染(きかいなせん、きかいなっせん)です。
では、ひとつずつ説明していきましょう。
手加工というのは、いわゆる加工着尺と言われるもので、その代表的な反物は紋意匠縮緬(もんいしょうちりめん)の織り模様を糊やロウで伏せて無地感覚の着尺に染めたものです。
紋意匠縮緬というのは、朱子地(しゅすじ)の出ない織り方で、綸子(りんず)のように光りません。たとえば、織り模様が菊の葉だったとしましょうか。
まず、染め下生地を伸子(しんし)で張って、引き染めをします。
この引き染めは何回もいろいろな色で染めるのです。
そうすることによって、深みのある、一筋縄では何色と言えないような、皮肉っぽい色目に染めあがります。そして、その何回目かの途中で、その菊の葉を糊やロウで伏せます。そして、また何回か引き染めします。
その後、防染剤(ぼうせんざい)として使った糊やロウを取り除いて、仕上がります。
できあがりの印象は、深みのある地色に、同系色ではあるけれど、これまた深みのある柄色の着尺と言う感じです。
ただし、この着尺は紋意匠縮緬を使っているせいで、スレやオレがよく起こります。
大概は、生地難が原因です。しわもよく目立つ生地ではあります。でも、白生地のときに見ると、ほんと、いい感じですよ。
つぎに、型小紋のはなしをしましょう。手捺染には、摺り(すり)と写し(うつし)とがあって、摺りというのは染料を丸刷毛(まるばけ)に含ませて型紙の上から摺り込むように着色します。
また、写しというのは半反の長さの板に張った生地に型紙を置いて染料を混ぜた色糊を木ベラで型紙の上から模様を写すように着色します。
模様の輪郭は、はっきりするけど、柄色の浸透は浅く、裏まで色が通りません。
そして、半反の端まで染めたら板をくるっと上下逆さにして、板の裏側に張ったあと残り半反を染めていきます。
この板の先っぽのまるで刀の刃のように薄くした部分が染まらず、もしくはガチャガチャに染まるために、生地のちょうど半分くらいの長さのところに剣先(けんさきと呼んでいます)ができます。
この剣先が仕立てるときに残り裂になるように裁たねばなりません。
機械捺染というのはドラム缶のようなローラーに絵模様を彫り機械で染めます。
そのときに、同じ柄を大量に染めるために、生地と生地をミシンで真横に縫って繋いで長い長い一本の生地を作ります。
最近は、この機械捺染で極鮫などの細かい柄がきれいに染まってしまうので、知らないうちに買っている場合があるでしょうね。
強いていえば、機械捺染のほうの江戸小紋はきれいすぎて「味がない」点が面白くないですね。
もちろん、機械捺染は、染め代もずいぶん、安いんです。
だから、機械捺染だと知ってて買うのならいいけれど、たとえば、バーゲンなどで「ずいぶんキレイな小紋」があったときに、飛びついて買わずに、まずは機械か手かを調べてからにしてはどうでしょうか?
では、見分け方を教えましょう。手捺染は剣先が反物の真中あたりにあるけど、まさか店先で剣先を見ることもできないでしょう?
では、さきに機械捺染のほうの見分け方を説明しましょう。
ミシンで真横に縫うということは、生地の織りだしに真横にミシン目があり、しかも真横のミシン目まではきれいに染まっており、
真横のミシン目から向こうは白生地のまま染まっていません。
一目瞭然です。
では、手捺染は、どうかというと織り出しの部分の染まっている部
分と染まっていない部分の境界線はゆがんでたり、波打ち際のようになっていたり、すくなくとも真っ直ぐのミシン目はありません。
では、手捺染と機械捺染の染め代の差はどれくらいだと思われますか?
手捺染も地色を扱き(しごき)か引き染めで仕上げるかで変わってきますが、およそ、2倍から3倍の違いがあります。
もし、機械捺染の小紋を高く売ってたら、必ず、値切り倒しましょうね。
それでは、今日はこのへんで、さようなら。
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