19 伝統工芸品シールって? U

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さて、今日は、この前の続きです。
まずは、おさらいを。
これは、経緯絣の白大島です。
この織物を織るには、人が織り機に座り、杼(ひ)を手で左から右へ、右から左へと投げて、打ち込みも手で行ないます。

これは、経緯じゃない緯絣(よこがすり)の白大島です。
この織物を織るには、人が織り機の前に座り、耳の目印の絣の柄を合わし、その後、スイッチを押すと、動力が杼を飛ばし、打ち込みも動力が行ないます。
こういう織り方を「半自動」と呼びます。
この織り方は、なにも大島紬だけではなく、全国各地の織物もこの半自動で行なっています。
僕が思うに、この「半自動」っていう織り方、機械織りと大差ないと思うのです。

この画像は、一番上の経緯絣の接写画像です。
経糸にも緯糸にも絣が入っていて、しかも両方の絣糸が合わさって、Tの字を形作っていますね。
これを経緯絣と呼んでいます。
この経緯絣を織り上げるのは、人の手と目でしか、作り得ないのです。
この画像は、上からふたつめの緯絣の接写画像です。
緯糸にだけ絣糸が使われています。
ほんとうは、長四角にしたいのですが、すこしだけ、ずれています。
味と言われれば、味でもあるのですが。でも、こういう絣がずれた味の織物って、一杯あると思いませんか?
久留米しかり、塩沢しかり、十日町しかり、琉球しかり、etc、etc、、、。
 では、なにゆえ、「半自動」の織物でも、この「伝統工芸品」シールを貼ることができるのでしょうか?
それは、「絣を合わせている」からだそうです。
絣合わせをすると、この如何にも上等そうなシールが貼れるのです。

手で杼を投げて、手で打ち込む織り方と、動力を使って杼を飛ばし、打ち込みも動力を使う織り方、この両者には、どういう違いがあるでしょうか?
僕は思うのですが、柔らかさが決定的に違うのです。ただ、絣を合わせる目的の為に、手で杼を投げ、経緯に絣を合わせ、手で打ちこむわけなのですが、その結果というか成果は、「柔らか味」という果実を僕たちにもたらしてくれるのです。
人間の身体は、起伏に富んでいます。出っ張ったところ、へっこんだところ、そういう人間の身体に自然に添うてくれる、それが、手織りの柔らか味の特性なのです。
僕はそう思います。


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