意外と知られてない絽の話し

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今日のテーマは、「絽」です。
そろそろ、絽の着物を買われるシーズンだから、
タイムリーなテーマでしょう?
絽というのは、夏着尺(なつきじゃく)用の透けた生地の事です。
絽には、平絽(ひらろ)と駒絽(こまろ)があります。
平絽は夏の長襦袢に良く使われ、駒絽は着物に使われます。
今日のお客様は「駒絽」さんです。

左の画像は、「駒絽」の耳付近を拡大接写したものです。
生地には、「耳」は必ずあるのですが、「絽」には、「目」もあります。
「絽目」と書いて、ろめ、もしくは関西弁風に、ろうめ、ろーめ、と発音します。
さて、「絽目」とは、どれのことを指すでしょうか?考えて見てください。

答えは下にあります。








白い線が弓なりになっているでしょう?
マウスで、うまく、線がひけなかったのですが、雰囲気は掴んでもらえると思います。
この弓なりになっているのが「絽目」なのです。
では、どうして、「絽目」というテーマを今日は選んだのか?
それはね、「絽目」というものが、意外と知られていないからなのです。
呉服屋さんでも知らない人、結構、おられるんじゃないかなぁ。

どうして、呉服屋さんでも知らないって言うかというとね、
それはね、この「絽目」を知らないという理由で、難ものが作られているからです。
まぁ、「うっかり」してかもしれないけどね。
たとえば、絽の小紋や無地だったら、どんな染め方をされていても問題はないんですけどね。
付下着尺(柄があるので、生地の向きが変えられない)や喪服(家紋が入っているので生地の向きが変えられない)なんかだと、難物扱いになってしまうんですよ。
何がどうなっていなければならないかというとね、背縫いで絽目の弓なりが同じ形にならなければならないのです。つまり、下の画像のように。

背縫いの縫代は三分(約1cm)ですので、当然、耳は縫いこまれます。
わかりやすくすると、下のようになります。

この真ん中の境界線が、背縫いです。
こういう流れが正反の姿です。
そして、下の場合が、難物扱いの反物です。
左側は、上向きの弓なりになり、右側は下向きの弓なりになっているでしょう?
これが、意外に知られていない絽の難物なのです。
上の画像のように、並べて見ましょう。

  ↑
この境界線が背縫いです。

さぁ、さぁ、箪笥から絽の着物を出してみましょう。
そして、背縫いを見てみましょう。
弓なりは正しい向きになっていますか?



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